サッカーのディフェンスの一つの方法であるゾーンディフェンス。
いま、このゾーンディフェンスを採用しているチームはたくさんあります。
しかし、一人ひとりがそれぞれのポジションに与えられた役割を理解していないがために、うまくゾーンディフェンスが機能せず、ボールが奪えないというチームが多くあります。
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ゾーンディフェンスにおいては、それぞれのポジションでそれぞれの役割があるので、その役割をしっかり把握したうえで試合に臨みましょう!
今回の記事ではサッカーのゾーンディフェンスでボールを奪うための各ポジションの役割についてまとめてみました。
サッカーのゾーンディフェンスとは
こんにちは!
サッカーのプレーヤーズコーチのyamatoです^ ^
今回の記事ではゾーンディフェンスの時の各ポジションの役割について話していきていと思います。
その前に、そもそもゾーンディフェンスとは何かについて話しておきます。
ゾーンディフェンスとは、その名のとおり、選手一人ひとりが与えられたゾーン(エリア)を守るディフェンスのやり方です。
4-4-2のフォーメーションなら、ピッチにその配置で並び、自分がいるエリアを担当して守るということです。
この守りの対極にあるのが、マンツーマンディフェンスです。
マンツーマンディフェンスは、一人ひとりが相手の一人ひとりをマークして、人を守るというディフェンスのやり方です。
ゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスでは、守り方が全然違います。
マンツーマンディフェンスは、自分がマークするべき相手と守るべきゴールの間にポジションを取ります。
なおかつ、マークするべき相手と、ボールが同一視野に入るところにポジションを取ります。
ですのでマンツーマンディフェンスではボールの位置、次に相手の位置をみてポジションを決めるのです。
基本的には相手一人ひとりをマークしていくので1対1が10個(キーパーを除く)あるというような感覚です。
マンツーマンディフェンスでは誰に誰がつくかの責任がはっきりしていて、役割がはっきりしているというメリットがあります。
しかし、相手の動きに合わせてついていかなければならないので、相手の動きによってポジショニングを左右されてしまい、危険なスペースを空けてしまうというデメリットがあります。
また、1対1で勝てればいいですが、その1対1をはがされてしまうと一気にそこから数的優位を作られて崩されてしまいます。
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それに比べて、ゾーンディフェンスというのは、まずはボールの位置、そして次に味方の位置を見てポジションを決める守り方になります。
そのようにしてポジションを取り、ボールに対して数的優位をつくってボールを奪おうというのが狙いです。
ゾーンディフェンスはチーム全員が組織的に動くことによって、1対1に自信のないチームでも、ボールに対して人数をかけるという守り方なので、抜かれてもすぐそばにカバーリングをつくることができます。
マンツーマンディフェンスと違い、相手の動きに惑わされないので、スペースの管理もしやすいというメリットがありますし、マンツーマンディフェンスより動かなくて済むので、体力的にも楽です。
しかし、マンツーマンディフェンスと違い、役割があいまいなところがあるのも事実で、全員が、ゾーンディフェンスにおける自分のポジションの役割を理解して、組織的に動かないと成立しないのがゾーンディフェンスです。
現代サッカーにおいては、基本的にはこのゾーンディフェンスの考え方を採用しているところがほとんどです。
ボール中心のポジションをとったゾーンディフェンスを基本に、要所要所でマンツーマンにするといったチームはありますが、すべてのポジションでマンツーマンをしているというチームはなかなかありません。
しかし、このゾーンディフェンスの役割を理解してポジションをとっている選手はなかなかいないのが現状です。
各ポジションにおけるゾーンディフェンスの役割を認識しておくことは組織的なディフェンスをする上ですごく大切なことなのです。
ゾーンディフェンスのフォワード、トップ下の役割
では、各ポジションごとにゾーンディフェンスの時のボールを奪うための役割をみていきましょう!
まずは、フォワード、トップ下の選手です。
ゾーンディフェンスにおいて、最前線にいるフォワード、また、その下にいるトップ下(セカンドトップ)の選手たちにも重要なディフェンスの役割があります。
それは、相手のセンターバックがボールを持っているときに、相手のボランチへのパスコースを切り、サイドにボールを誘導するということです。
この時、センターバックのドリブルでの侵入ももちろん防がなければなりません。
ここで前線の選手がこの役割を理解せずにポジションをとり、相手のセンターバックからボランチに簡単にパスを出されてしまったり、相手のセンターバックにドリブルで突破されてしまうと、
ピッチ中央から、どこにでもボールを配給できるような状況をつくられてしまいます。
すると、後ろにいる中盤の選手や、ディフェンスの選手は、ねらいが絞れず、すべてにおいて後手をふむことになります。
ですので、前線の選手は、相手のセンターバックに対して、ドリブル突破を許さず、ボランチへのパスコースを消し、サイドへとボールを誘導するのが最低限の役割となります。
ツートップでも、ワントップでトップ下を置いているチームでも、お互いが連携して、サイドにボールを追い込みましょう。
ちなみに僕は、ワントップにトップ下をおいているチームでも、ディフェンスの時は、横並びになって、ツートップのようにセンターバックに対して限定をかけたほうがやりやすいと考えています。
また、サイドに誘導した後は、縦関係になり、ボールに近い相手のセンターバックとボランチをケアして、再びサイドを変えさせないようにポジションをとりましょう。
ゾーンディフェンスのサイドミッドフィルダーの役割
次にサイドにいるミッドフィルダーのゾーンディフェンスの時の役割です。
サイドのミッドフィルダーは前線でサイドに誘導されたボールに対して、プレスをかけるという役割があります。
あらかじめ、サイドにパスが出ることを予測しておいて、ボールが中央からサイドに移動している間にボールに対してアプローチをかけます。
そこでボールを奪えればいいですが、奪えなくても、縦をきって再びボールを中に誘導するか、中をきって、縦にボールを誘導するかの限定をかけます。
そうして、次に備える味方にボールを奪うシチュエーションを作り出すのです。
一旦、サイドにボールが出されて、サイドのミッドフィルダーがボールに対して限定をかけられれば、後ろの味方は次の出どころを狙いやすくなります。
このアプローチがサイドのミッドフィルダーの大事な役割になります。
さらに中をきって、縦にパスを出させた場合は、味方のサイドバックが狙っていると思うのですが、すかさずそこにプレスバックをして、ボールに対して数的優位をつくりにいきましょう。
ボールと逆サイドにいるサイドのミッドフィルダーは、隣のボランチと距離が開かないように中に絞っておきましょう。
あまり後ろには下がり過ぎず、ボールを奪った後には攻撃に転じれるような絶妙なポジション取りが必要です。
ゾーンディフェンスのボランチ役割
ゾーンディフェンスのボランチの役割は、サイドのミッドフィルダーがボールに対してアプローチをした時にその斜め後ろにポジションをとり、そのカバーに入るということです。
サイドのミッドフィルダーがアプローチに出て、縦をきって、ボールを中に誘導する場合は、ボランチのところにボールが出てくる可能性が高いですから、そのエリアにいる相手に厳しくチェックに行き、ボールを奪います。
アプローチに出たサイドのミッドフィルダーのカバーに入れる斜め後ろのポジションを取るのが基本です。
さらに、ボールから遠い方のもう一人のボランチは、カバーに入っているボランチのまた斜め後ろに位置し、味方センターバックの前のバイタルエリアを埋めるという役割をします。
そうすることで、相手フォワードへの楔のパスコースを消すことができます。
ゾーンディフェンスのサイドバックの役割
サイドバックは、前にいるサイドのミッドフィルダーにアプローチをかけさせるという役割を担います。
サイドのミッドフィルダーにいいタイミングで「ゴー」をかけて、一気にボールにアプローチさせましょう。
その際に大事なことがあります。
それはどっちを切るかのコーチングをかけるということです。
味方の状況を見て、ボールを再び中央に誘導して、味方ボランチに狙わせたい場合は、「縦を切れ」とコーチングします。
ボランチのスライドが間に合っていなくて、自分がボールを奪えそうなポジションにいる場合は、「中を切れ」とコーチングして縦にボールを誘導し、自分でボールを奪いにいきます。
サイドバックは、サイドミッドフィルダーへのこのコーチングと、ボールを奪うのが役割となります。
ゾーンディフェンスのセンターバックの役割
そして最後にゾーンディフェンスのセンターバックの役割ですが、一番大事なことは声を出すことです。
センターバックはフィールドプレーヤーのなかで最後尾に位置し、チーム全体が見えるポジションです。
そこで、前にいる選手に指示を与えて、動かし、ボールが奪えるようなシチュエーションを作り出していきます。
さらにこのゾーンディフェンスでボールを奪うためには、フォワード、ミッドフィルダー、ディフェンスの3ラインがコンパクトでなければなりません。
コンパクトにして、ボールに対して人数をかけられるようにしなければ、ゾーンディフェンスでボールを奪うのはむずかしくなります。
そのコンパクトになるかどうかを決めるのはセンターバックの位置です。
というのも、センターバックの位置が最終ラインを決めるので、最終ラインの設定があいまいなまま、前線がアプローチをかけてしまうと、3ラインの間にスペースが生まれ、そこのスペースを使われてピンチを招くことになります。
ですので、センターバックは声を掛け合って、最終ラインをコントロールして、常に全体がコンパクトになるようにしなければなりません。
まとめ
みなさん、いかがでしたか?
今回の記事では、サッカーのゾーンディフェンスでボールを奪うための各ポジションの役割についてでしたが、ゾーンディフェンスはそれぞれが役割を理解して組織的に動かなければ、ボールを奪うことがむずかしくなります。
しっかりと役割を理解して試合に臨んでほしいと思います。
しかし、今回紹介した役割というのはほんの一部でしかありませんし、基本的な役割にしか過ぎません。
チームの考え方によっては、そのポジションの役割も変わってきますし、ボールを奪う位置もチームによって様々です。
ただ、今回紹介した役割というのは、ディフェンスの基礎知識だと思うので、この役割を理解した上で、それぞれのチームの戦術に生かしていきましょう!
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