サッカーというスポーツの戦術は、発祥してから今まで時代とともに変化してきました。
ルールが変わるにつれて、サッカーの勝負の仕方も変化し、さまざまな戦術が生み出されてきました。
また、戦術が生み出されてからは、その戦術を破るような個の力を持った選手がでてきたり、それを破るような新たな戦術が生み出されてきました。
スポンサードリンク
今回の記事では、どのように現在のようなサッカーになってきたのかという戦術の歴史を振り返り、その歴史から見るこれからのサッカーに必要な個人戦術について話していきたいと思います。
サッカーの戦術の歴史Ⅰ
サッカーのプレーヤーズコーチのyamatoです^ ^
今回の記事では、サッカーの戦術の歴史とこれからのサッカーに必要な個人戦術についてお話ししていきます。
まずはサッカーの歴史と戦術を振り返ります。
サッカーというスポーツは、イギリスが発祥と言われています。
ラグビーから派生したスポーツとも言われていて、最初は前にパスを出してはいけないというルールがあったようです。
人数やピッチにも制限がなかったのですが、1860年代に人数が現在の11人になり、ピッチも作られるようになりました。
しかし、ラグビーのような、ボールより相手ゴールに近い位置でボールを受けたらオフサイドというルールでしたので、戦術というのはほとんどなく、個人のフィジカル能力に任せてプレーをしていたみたいです。
ポジションもほとんどなく、キーパー1人と、あとのフィールドプレーヤー全員が横並びというようなシステムでした。
1875年になると、少し個人プレーから抜け出し、戦術としてパスを使うようになりました。
パスを使って味方と連携するという戦術を使うことが増えたため、守る側もボールの周辺だけではなくその後ろや横をカバーできるような人の配置をするようになりました。
キーパー1人、ディフェンス1人、ミッドフィルダー2人、フォワード7人などのスリーラインを作るというチームが増えてきたのです。
サッカーの戦術の歴史Ⅱ
1880年代になると、オフサイドのルールに変更がありました。
それは、ボールを受ける選手が相手チームの選手の後ろから数えて3番目の選手よりも前でパスを受けたらオフサイドというものです。
このルールの改正によりオフサイドトラップを戦術として取り入れる守備のやり方も出てきました。
1925年には、またオフサイドのルールに変更があり、現在のオフサイドのルールと同じように後ろから2番目の選手がオフサイドラインになるというルールに変更になりました。
このルールの改正により攻撃をしているチームはより、ゴールに近づくことができるようになりました。
そのため、守備にも力をいれないと簡単には勝てなくなり、攻撃にも守備にもバランス良く人を配置することが必要になってきました。
ディフェンスと前線の選手の人数バランスが均等になり、中盤の選手の存在も重要度を増してきました。
それまで、5人が横並びになっていた前線を3人にして2人は中盤のビルドアップに参加させ、2人しかいなかったディフェンスも3人に増やし、中盤にも2人守備に参加できるようなポジションを置く、WMシステムとよばれるバランスを重視したような戦術が取られるようになりました。
1940年代になると、イタリアなどでは、いかに失点を少なくすることができるかというのに焦点をあて、3人のディフェンスに加えてリベロといわれる選手をおくようになりました。
スポンサードリンク
サッカーの戦術の歴史Ⅲ
そして1980年〜1990年代にはイタリアのミランが革命的な戦術を生み出します。
いままでほとんどのチームの守備戦術はマンツーマンディフェンスが中心で、相手のフォワードの人数プラス1人を余らせる形でディフェンスをするチームがほとんどでした。
しかし、この時代のミランはアリゴサッキという監督のもとゾーンディフェンスによる、プレッシング戦術というのを完成させます。
ポジションの前後関係を保ちながら、守備陣がコンパクトになり、守る範囲を自ら限定するようになってきたのです。
それまでは、人に対してどこまでもついていくというマンツーマンディフェンスが中心でしたので、守らなければいけない範囲は広大だったのに対して、ゾーンディフェンスというのは守備の概念が大きく変化したサッカーにおける歴史的な戦術だったのです。
サッカーの戦術の歴史Ⅳ
2000年代からはゾーンディフェンスとプレッシングの戦術が世界的に普及し、マンツーマンディフェンスというのはほとんど見られなくなりました。
4人のディフェンスラインに中盤の4人の選手を加えて、8人の守備ブロックを作り、ゾーンディフェンスによってチャレンジとカバーを繰り返すことによって組織的な守備戦術を行うチームが増え、簡単には失点しなくなってきました。
またディフェンスラインを高く保ち、相手のプレーエリアを限定し、ボールにプレッシャーをかけるという戦術は多くのチームで見られるようになりました。
このような戦術をとるチームが増えたことにより、どんどん時間とスペースがなくなっていきました。
しかし、その時間とスペースが限られてきたサッカーの中でも、ディフェンスラインと中盤のラインのわずかなスペース、わずかな時間でもプレーできるような選手たちがあらわれるようになりました。
それがスペインのバルセロナというチームです。
バルセロナは、メッシやイニエスタ、シャビというクラブの下部組織出身の選手たちを中心に早いパス回しと、早い判断を繰り返し、ボールポゼッションを中心とした戦術で、ゾーンディフェンスにおけるプレッシングを難なくすり抜けるようになってきたのです。
そして、そんなバルセロナの選手中心に構成されたスペイン代表は2010年の南アフリカW杯で初優勝を飾ることになりました。
そこからゾーンディフェンスの見直しが余儀なくされ、次の2014年ブラジルW杯では、中盤でマンツーマンディフェンスを採用するという戦術をおこなったオランダに前回大会優勝のスペインが敗れました。
それからも、戦術というのはさまざまなものがあらわれてきました。
あえて相手にボールを渡し、その瞬間にプレスをかけてボールを奪い返しカウンターをしかけるゲーゲンプレスという戦術や、守備の組織の整う前に縦に早い攻撃を仕掛けるのを戦術コンセプトに掲げるチームなども出てきました。
守備も攻撃もよりコレクティブになり、コンパクトになり、中盤の攻防も激しくなりデュエルの大切さが問われるようになってきています。
これからのサッカーに必要な個人戦術
このようなサッカーの戦術の歴史からわかる通り、ルールの改正や、素晴らしい個の能力を持った選手たちの台頭が新たな戦術を生み出すきっかけを作ってきました。
そして現代のサッカーはよりテクニカルに、よりコレクティブに、よりスピーディに、よりタフになってきています。
その中で、大切なのは選手一人ひとりの、その場での状況判断力や技術力、すなわち個人戦術です。
これからのサッカーにおいてもコンパクトというキーワードは変わらないでしょう。
より、時間とスペースがなくなってきています。
その中で、正確な技術を発揮できたり、素早い状況判断ができるかどうかというのがサッカー選手として生き残れるかどうかの生命線になってきます。
また、いくら、革新的な戦術が出てきたとしても、それを実行できる個人戦術がなければ意味がありません。
そして、いくら革新的な戦術が出てきたとしても、高い個人戦術があれば、その戦術を破ることができます。
チーム戦術をおこなって、組織で戦うことはとても大切です。
しかし、そのチーム戦術も個人戦術がなければ行うことはできません。
個人を磨くことを絶対に怠ってはいけないのです。
個人を磨くことをやめてしまったら、変わりゆくサッカーの中で対応できなくなってしまいます。
個人戦術はどの時代にもどのサッカーにも必要なのです。
個人戦術についてはこちらの記事もチェックしてみてください^ ^
まとめ
サッカーの戦術の歴史を見ると、ルールの改正や、素晴らしい個の力を持った選手たちの台頭で様々な戦術が生み出されてきたのがわかります。
そしてこれからもさまざまな戦術が生み出され、トレンドとなり、またそれを打ち破る個や戦術が出てくるでしょう。
その変化の激しいサッカーの中でも、ゆるぎない個人戦術を磨くことが何よりも大切なことです。
今一度、自分の技術を見直し、個人戦術に磨きをかけてください^ ^
スポンサードリンク
コメントを残す