サッカーのトップという攻撃のポジションは、ワントップやツートップ、スリートップがあります。
これらのシステムにはそれぞれメリットがあります。
しかし、どのシステムにおいてもそれぞれのトップの選手がボールを引き出す動きができなければ、攻撃の時間は増えません。
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今回の記事では、ワントップ、ツートップのメリットとトップに必要な動きについてお話しします。
ワントップ、ツートップのメリット
サッカーのプレーヤーズコーチのyamatoです。
サッカーのポジションで最前線に位置するトップは、チームによって人数が違います。
その種類には、ワントップ、ツートップ、スリートップなどがあります。
ワントップであれば、前線には1人しかいませんが、その分、中盤より後ろに人数をかけられ、ディフェンスを固めたり、中盤でのパス回しを優位にすることができるというメリットがあります。
ツートップであれば、ワントップに比べ、中盤より後ろに人数はかけれませんが、前線に2人いることによって、より前にボールを引き出しやすく、早く攻撃できたり、相手を押し込むことができるというメリットがあります。
カウンター時にも、ツートップのコンビネーションでシュートチャンスを作りやすくなります。
また、守備時には相手のセンターバックに対して2枚でプレスに行けるので、前線からの守備が機能しやすくなるというのもメリットです。
そしてスリートップですが、これにはいろいろな形があります。
ウイングを置くシステムであれば、幅を使って攻撃できることがメリットで、ボールを奪った瞬間にも、ウイングが高い位置に張り出してる分、カウンターを仕掛けやすくなります。
また、ウイングを置くシステムではなく、真ん中ぎみに3枚を置くスリートップでは、より前線にボールを引き出しやすく、相手を押し込むことができ、攻撃的にいけるというメリットがあります。
その分、中盤より後ろの人数は減るので、中盤やディフェンスラインにリスクは生まれます。
要は、各チームの監督は、どこに人数を多くして、どのエリアで優位を保ちたいのかでトップに置く人数を決めているのです。
トップに求められる動き
トップにはワントップやツートップなどいろいろな種類がありますが、求められる動きは、その選手のプレースタイルやチームの戦術、または相手の出方によって変わってきます。
体格があって、フィジカルが強い選手はポストプレーを求められているかもしれません。
俊敏性があって足の速い選手は、相手ディフェンスラインへの背後の抜け出しを求められているかもしれません。
しかし、ポストプレーだけしかできない、裏に抜けるだけしかできない、ではそのプレーを相手に読まれ止められてしまいます。
どちらが得意というのはあるかもしれませんが、どちらの動きもできる選手がプレーにたくさん関われる、チャンスをたくさん演出できる選手です。
トップというポジションはワントップだろうとツートップだろうとスリートップだろうと、それぞれの選手がボールを足元でも裏でも引き出す動きができなければなりません。
トップの選手がボールを引き出す動き方がわからないと、そのチームの攻撃の時間は増えません。
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トップのボールを引き出す動きをするためのコツ
では、どのような動きをすれば、トップの選手はボールを引き出せるのでしょうか?
足元に落ちていく動きにしろ、裏に抜ける動きにしろ、ただその動きをやっていたのではボールは引き出せません。
うまくボールを引き出すためのコツは相手を見て駆け引きをして動くことです。
トップの選手で、ボールを引き出せない選手に多くあるのは、相手を見ていないで動き、ボールを失うというケースです。
例えば、ポストプレーに行った時に、相手が後ろからきているのがわからず、体をよせられてバランスを崩しボールを失ってしまう。
裏に走ったけど、相手ディフェンスの方が後ろにいてボールを処理されてしまう。
など、これらのボールの失い方は相手を見ておらず、駆け引きをしていないために起こるミスなのです。
相手を見て駆け引きができる選手は、ボールが来る前に、相手を動かし、相手を離してフリーでボールを受けることができます。
例えば、足元でもらいたいなら、裏に走るふりをして相手ディフェンスを後ろに動かし、パスが出るタイミングで足元に落ちてボールを受ける。
裏で受けたいなら、足元でもらうふりをして、ディフェンスを一歩食いつかせ、パスが出るタイミングで背後に走り出す。
など、相手を見て駆け引きをして、相手が動いた方と逆に動き、ボールを引き出すことで、相手と離れて、つまりフリーでボールを受けることができるのです。
トップの相手の動きを見るタイミング
トップの選手は、攻めるゴール、ボール、相手の選手が同一視野に入るポジション取りが基本とされています。
そのようなポジションを取り続ける動きが、ボールが来た時のパフォーマンスに関わってきます。
しかし、高校生でもこれができない選手が多く、ボールばかりを目で追ってしまい、相手選手を見ないでプレーしている選手が多くいます。
そうすると先ほども話したような、相手にマークされてのプレーとなりボールを失ってしまうのです。
サッカーというスポーツは、相手がいるスポーツです。
ですので、相手の動きをみなければ、相手に勝つことは難しくなります。
ボールと味方だけを見てパスをしたり、シュートを打っても、そこに相手がいれば、パスは通りませんし、シュートも入りません。
少し怖いですが、ボールを見ないで、相手を見る時間も増やさなければ、ボールが来た時のパフォーマンスは上がらないのです。
特にトップの選手は最前線にいるため、後ろの選手がボールを持っている時に、相手選手を視野に入れるのが難しいポジションです。
ですので、ボールを引き出す動きができない選手が多いのです。
では、いつ、どのようにして、相手選手を視野に入れればいいでしょうか。
トップの選手が相手選手を視野に入れるためには、一旦ボールから目を切る時間も必要です。
ボールから目を切るのはとても怖いことですが、そのタイミングさえ間違えなければ相手を見る時間を作ることができます。
そのタイミングとは、ボールの移動中です。
例えばディフェンスラインの選手AからBにパスが出て、トップの選手がBからパスを引き出すとします。
そのAから出たパスがBに届くまでのボールが転がってる間は、トップにはパスが出てきません。
そのタイミングこそボールから目を離し、相手を見て駆け引きができる時間です。
そして、ボールがBに渡り、Bがボールをコントロールしてパスが出るタイミングで、裏や足元に動き出せば、相手を離してフリーでボールを受けることができます。
このようにボールが移動中にボールから目を切り、相手を見て、相手が動いた方と逆に動くことができれば、ボールを引き出す動きができるのです。
参考にしたいワントップの動き
相手と駆け引きをして、ボールを引き出す動きがうまいワントップの選手に佐藤寿人選手がいます。
佐藤選手は、170㎝と決して背が高いわけではありませんが、ワントップとしてJリーグでたくさんのゴールを生み出してきました。
佐藤選手といえば、ワンタッチでのゴールが特徴です。
なぜ佐藤選手がワンタッチでゴールを量産できるのかといえば、ボールを貰う前の動きがいいからです。
佐藤選手は小柄な体格であるため、相手に体をぶつけられるとボールを失う可能性が有ります。
ですので相手を見て、相手と駆け引きをすることによって、相手から離れたフリーの状態でボールを引き出しプレーしています。
その動きの質が、たくさんのゴールへと結びついているのです。
いかに相手を見て駆け引きをしているかは、著書『小さくても、勝てる』の中でも述べられているので紹介したいと思います。
ゴール前は僕にとっての戦場である。いかにしてマークする相手の裏をかくのか。そこではDFとの激しい心理戦が繰り広げられている。
サッカーは相手がいるスポーツだ。FWであれば、まずはボールを持った選手との関係性がある。パサーがどこにパスを出そうとしているのか、そして自分がどこにパスが欲しいのかを共有することで、この関係性は成立する。
そして相手として自分をマークするDFがいる。彼らがどう対策を取ってくるか、またどういうイメージで守ろうとしているかを考える。その上で、相手の逆を突く、もしくは相手の裏をかくにはどうしたらいいのかという思考を巡らせながら、ゴールという目標を目指していく。
前線で僕はわざと曖昧なポジションを取った。両センターバックの中間、それもオフサイドポジションにいた。
センターバックの前で、一度体勢を整え、くさびのパスを受けるフェイクを入れた僕は、一気にスピードを上げ、両センターバックの間へ向かっって走り出した。
目線や顔の向き、さらには上半身などを使って、相手と駆け引きすることもある。
僕はファーで受けるために、わざと手を動かし、手だけDFの視野に入るようにニアへと走る動きを見せた。DFはニアに走り込むと思い込み、僕の前方へと動き出した。手だけを動かしただけで僕は、そのままファーにいてフリーになることに成功したのだ。
このような佐藤選手の考え方からも分かる通り、ボールが来る前の段階で、相手を見ながら駆け引きをすることによってその動きを決めています。
ですので、ボールが来た時にフリーで最高のパフォーマンスができるのです。
まとめ
ワントップやツートップにはそれぞれメリットがあります。
いずれのシステムにしてもトップがボールを引き出す動きができれなければ、そのチームの攻撃の時間は増えません。
ボールを引き出す動きをするには相手を見る時間を作り、駆け引きすることが大切です。
サッカーは90分間あるうちの1〜2分しか、ボールに触れている時間はありません。
ボールに触れていない残りの88分間をどのような準備をするかで、ボールが来た時のパフォーマンスが変わってきます。
みなさんもぜひ、ボールがない時にボール以外も見て、ボールが来た時にいい状況判断ができる選手になってください^ ^
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